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[No.1147] 免疫の働きを解明した3人に、ノーベル生理学・医学賞 投稿者:岡田 麗和  投稿日:2011/10/06(Thu) 12:39
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”免疫の働きを解明した3人に、ノーベル生理学・医学賞”


スウェーデンのカロリンスカ研究所は10月3日、2011年のノーベル生理学・医学賞を、人間や動物の体内で働く免疫の働きに関する研究成果を上げた、3人に贈ると発表しました。

米ロックフェラー大学の故ラルフ・スタインマン教授(68)、米スクリプス研究所のブルース・ボイトラー教授(53)、フランス分子細胞生物学研究所のジュール・ホフマン前所長(70)の、3人です。

免疫とは、体に入り込んだウィルスや細菌などの異物を認識・識別して、殺傷・排除する仕組みのことです。人間はこの免疫システムによって、様々な病原体などから体を守って健康を維持しています。

ホフマン氏はハエ、ボイトラー氏はネズミを使い、病原体が進入した際に最初に攻撃を仕掛ける「自然免疫」の仕組みを解明いたしました。

自然免疫は人体では本格的な免疫系細胞が働き始める前に、まず、敵を短期的に攻撃する仕組みとして機能していると見られています。

一方、スタインマン氏は免疫に関わる重要な役割を果たす「樹状細胞」を発見しました。同細胞は侵入した細菌などを探し出して特定し、別の免疫細胞にその情報を伝えます。

     You Tube(動画)  http://youtu.be/RIJ8IU7sCcA


これによって、特定の細菌(侵入者)を殺すための、複雑で強力な免疫の作動する仕組みを解明することが出来ました。

3氏の免疫解明の研究成果は、感染症やがん、アレルギーやリウマチ、様々な炎症などの治療に応用されています。

ところで、人間で始めて自然免疫の働きを明らかにした研究者としては、大阪大学の審良(あきら)静男教授が知られています。

自然免疫研究に最も貢献した審良氏の、ノーベル賞を受賞できなかった要因は、ボイトラー氏よりも研究発表が半年遅れたことが響きました。

審良氏の談。「(3人の)受賞によって免疫学という分野の重要性が評価され、関心が高まれば、これに勝る喜びはない。」

(文責:岡田 麗和)